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為替相場まとめ3月11日から3月15日の週

為替 

 11日からの週は、ドル高と円高が優勢。米消費者物価指数、米生産者物価指数などが予想を上回る結果となり、根強いインフレ圧力が示された。来週の米FOMCを控えて、市場における米利下げ開始時期の観測は6月からやや後ずれしている。株式市場は調整色が強く、リスク警戒的なドル買い圧力となる面もあった。円相場は、対ドルではやや円安方向に調整されているが、クロス円では円高圧力が継続した。来週の日銀決定会合を控えて、春闘動向に注目が集まるなかで、一連の大企業経営側が満額回答が続出した。週末の連合の集計結果・中間発表では平均賃上げ率が5%超となった。来週の日銀決定会合での、マイナス金利解除を後押しする結果となった。ドル円はドル高の影響もあって底堅く推移も、クロス円は総じて上値重く推移する一週間だった。先週のECB理事会を終えて、一連のECB当局者発言が相次いだ。タカ・ハトいずれも6月利下げ開始の線を濃厚としていた。市場の焦点は米国とECBどちらが先に利下げを開始するかに集まっている。来週は日米とともに英中銀の金融政策発表も予定されている。市場では夏頃の利下げ開始観測が優勢となっているが、景気動向に不透明さもあってまだ見方は流動的だ。


(11日)
 東京市場では、ドル円が振幅。朝方に146.54近辺まで下落、日経平均の大幅下落が重石となった。しかし、先週末安値146.49近辺までは下げ切らずに反発し、昼前には147円台乗せとなった。午後には147円を挟んだ水準に落ち着いた。日経平均は午後には一時1000円超の下げを見せたgあ、引けにかけては下げ渋った。ユーロ円は早朝の161円台から午前に160.38近辺まで下落、その後の反発で160.90台まで戻した。ユーロドルは1.0936-1.0953レンジで揉み合った。

 ロンドン市場は、円買いの動きが再燃。ドル円はロンドン時間に入ると再び円買い圧力が掛かっている。この日は日本株が大幅安となったが、日銀はETF購入を見送ったことが判明。従来は前場でTOPIXが2%超安となると、日銀がETF購入を実施することが例外なく実施されていた。市場では来週の日銀決定会合に向けて変化の兆しを感じ取ったとみられ、円買いが再燃。ドル円は146.49近辺と先週末安値水準に並んだ。クロス円も下押しされており、ユーロ円は160.20台、ポンド円は188.10台へと本日安値を広げている。欧州株や米株先物は軟調に推移している。先週末に米株が半導体主導で下落した影響が残った。また、鉄鉱石先物が大幅安となっており、中国景気に対する不透明感も広がっていた。明日の米消費者物価指数の発表を控えて、きょうは材料難となるなか、調整色が色濃い状況となっている。

 NY市場で、ドル円は上値重く推移。先週の急速な売りは一服したが、買い戻す気配まではみられず。147円台では上値を抑えられて揉み合った。先週はパウエルFRB議長の議会証言、米雇用統計と重要イベントを通過したが、パウエル議長の証言は大方の予想通りに「年内利下げの意向ではあるものの、もう少しデータを確認したい」姿勢を強調していた。米雇用統計も落ち着きは示したものの、まだ力強かったことから、FRBのスタンスを追認する内容と捉えられたようだ。明日は米消費者物価指数(CPI)の発表が予定されている。ユーロドルはNY時間に入ってやや伸び悩んだものの、1.09台は維持。ポンドドルは戻り売りが優勢となり、1.28を一時割り込む場面も見られた。ポンドに関しては明日の英雇用統計が注目された。特に週平均賃金上昇率は、英中銀にとってサービス・インフレに次いで重要な指標に。

(12日)
 東京市場は、日銀動向をにらんで円相場が上下動。ドル円は売りが先行。通信社の日銀内で3月マイナス金利解除支持広がるとの報道に円買いが強まり、146.62近辺まで下落。鈴木財務相がデフレ脱却に向けた千載一遇のチャンス、デフレから脱却したとまでは認識していないなどの発言を受けて147円近くまで回復。さらに、参議院財政金融委員会に出席した植田日銀総裁が食品など非耐久消費財に弱めの動きと発言したことで147.40台まで上昇した。午後も堅調で、147.30付近に上値を伸ばした。ユーロ円は朝方に160.28近辺まで下落したあとは、161.40台まで上昇。ユーロドルは1.09台前半での揉み合いで、米CPI待ちに。

 ロンドン市場は、ポンド売りが優勢。ロンドン朝方に発表された11-1月の英雇用統計で、賃金の伸びが予想を下回り、失業率が上昇したことに反応している。英FT指数が一時1%高と堅調に推移しており、市場は英中銀の早期利下げを期待しているようだ。ポンドドルは1.28台前半から1.27台後半へ、ポンド円は189円台前半から188円台前半まで下落。対ユーロでもポンド売りが進行している。ユーロ相場は動きにくい展開。対ドルは1.09台前半での揉み合い。対円は161円台前半から一時161円台割れも、すぐに大台を回復。ドル円はロンドン朝方に147.60付近まで高値を伸ばしたあと、147.20台までの下げにとどまっており、東京市場からの上昇を維持。この時間帯は英雇用指標のほかには目立た材料はなく、次第にこの後の米消費者物価指数発表待ちとなってきている。

 NY市場で、ドル円は激しく上下動。注目の米消費者物価指数はヘッドラインの伸び予想を上回り、ドル買いに反応も、FRBが注視しているとされる住居費を除くサービス業のインフレ、いわゆるスーパーコアが前回から大きく鈍化したことで、FRBのスタンスに大きく変化を与える内容ではないとの見方も出て、ドルが急反落する場面がみられた。ドル円は米債利回り上昇とともに148円台乗せまで急伸したあと、147円割れ目前まで急反落。その後は147円台後半に落ち着いた。ユーロドルは1.09台前半での推移。ポンドドルは1.27台半ばに一時下落も、1.28手前まで戻す動き。結局、次の材料待ちという結論に落ち着いたようで、木曜日の生産者物価指数(PPI)や来週のFOMC待ちといった状況のようだ。短期金融市場では6月利下げ開始の確率を前日からは若干低下させたものの、80%程度で織り込んでいる。

(13日)
 東京市場は、円買いが入る展開。ドル円は147.60付近で取引を開始、午前には147.24近辺まで下落した。今日が春闘の集中回答日となったが、トヨタが4年連続満額回答など、大企業での満額回答が続き、日銀の早期マイナス金利解除期待が広がる形で円買いとなった。その後は買い戻しは147円台半ばまで、147円台前半に再び軟化も、147.60台と朝方の水準に戻している。円買い材料に反応も、流れは続かずの印象。ユーロ円は161円台前半から161円台割れ水準での振幅。ポンド円は189円台手前水準から188.50割れ水準で上下動した。円相場主導の展開で、ユーロドルは1.09台前半で膠着、朝からわずか9ポイントレンジ。

 ロンドン市場は、円売りが優勢。ドル円は東京午後からの円安の流れを受けて、ロンドン時間に入ってからも堅調。欧州株高や米債利回り上昇とともに買われ、一時148円台に乗せた。東京午前は大手企業の春闘での賃上げ満額回答が相次いだことが、日銀政策修正への思惑とともに円買いを誘っていた。ただ、ロンドン早朝の植田日銀総裁の発言ではマイナス金利解除などについて具体的な言及は避けられており、円買いポジションに調整が入った面が指摘される。クロス円も円安方向に傾いており、ユーロ円は161円台後半、ポンド円は189円台前半へと買われている。ドルストレートは方向感に欠ける取引。ユーロドルは1.09台前半、ポンドドルは1.27台後半から1.28付近までの狭いレンジで揉み合っている。

 NY市場は、昼過ぎにドル売りが強まった。米30年債入札の結果が発表され、好調な入札となったことから、利回りが急速に上げ幅を縮小したことが背景。ドル円は147円台半ばに下落する場面があった。また、前日の米消費者物価指数(CPI)は高い数字となったものの、FRBのスタンスに変化は与えないとの見方が有力。いまのところはまだ、6月か7月の利下げ開始を有力視している状況となっている。ユーロドルは買いが優勢となり、1.0965近辺に一時上昇。ECBについて、短期金融市場では6月利下げの可能性を有力視しているが、一部からは4月の可能性も指摘されている。ただ、仏中銀総裁は「4月よりも6月の可能性が高い」と述べていた。ポンドドルは1.28ちょうど付近での推移。英中銀について、短期金融市場では8月の利下げ開始を織り込んでいるが、6月についても50%程度の観測がみられている。

(14日)
 東京市場は、ややドル買いの動き。ドル円は午前に147円台半ばへと弱含んだが、午後には147.97近辺まで一時上昇。米10年債利回りが4.20%台に上昇したことがドル買いにつながった。日経平均が上昇に転じたことや、早川元日銀理事が3月の日銀金融政策決定会合で指針を修正し、4月にマイナス金利を解除するのが自然と発言したことが円売りを誘った。ただ、148円台乗せの勢いはみられず。ユーロドルは、午後に一時1.0939付近まで軟化。ユーロ円は午後にこの日の高値となる161.90付近まで上昇。日本時間今夜9時30分に2月の米小売売上高や米生産者物価指数(PPI)などの発表を控え、次第に様子見ムードが広がった。

 ロンドン市場は、全般に値動きが落ち着いた。ドル円はロンドン時間に入ると147.70台へと反落。東京市場からのレンジ半ばに落ち着いている。このあとのNY市場で発表される米生産者物価指数や米小売売上高などの結果を見極めたいとのムードがあるようだ。米10年債利回りも4.18%台から4.20%台で方向感なく推移している。欧州通貨ではユーロ売り、ポンド買い。ユーロの上値が重くなったきっかけは、ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁が「夏休み前に2回の利下げが必要」と発言したことだった。しかし、その後のミュラー・エストニア中銀総裁やレーンECBチーフエコノミストからはさらなるデータが必要との姿勢が示されており、6月利下げ開始が示唆されていた。ユーロドルは1.09台半ばから前半でやや上値重く推移。一方、ポンドドルは1.27台後半から1.28台前半へと小高く推移。英中銀に関しては、利下げは夏頃との見方があり、英欧ほど早まらない見方が優勢。ユーロ円は161円台後半でやや上値重く推移する一方、ポンド円は189円台乗せから半ばへと底堅い。

 NY市場では、ドル買いが優勢。米生産者物価指数(PPI)が予想を上回り、今週のCPI同様に根強いインフレを示したことがドル買いの反応につながった。同時刻に発表の米小売売上高は、予想こそ下回ったものの個人消費の底堅さは堅持している。FRBはスタンスを変えないとの見方から、発表直後は為替市場の反応も鈍かったが、短期金融市場で6月利下げの確率が70%以下に下方修正され、今年の累計の利下げ幅も一時0.75%ポイント以下に織り込みが低下していた中で、米国債利回りの上昇と伴にドル買いが優勢となった。ドル円は148円台に再び乗せると、148.35付近まで高値を伸ばした。ユーロドルは1.08台に下落。今週の米インフレ指標が予想以上に根強いインフレを示唆したことで、市場はFRBの利下げ期待を後退させた。しかし、ECBについては年内に計1.00%ポイントの利下げを見込んでいる状況。ポンドドルは一時、1.2730付近まで下落した。利下げに対する市場のコンセンサスはなお8月利下げだが、金利見通しをより確かなものにするため、英中銀が明日発表するインフレ意識調査を待つ状況に。
 
(15日)
 東京市場は、ドル円が上に往って来い。午前の取引で前日の2月米PPIが予想上振れした後のドル買いを引き継ぎ、前日高値を上回る148.66近辺まで買われた。しかし、すぐに売り入り、午後には午前の上昇を帳消しにして148円台前半に戻している。ユーロ円も161.24から161.67までのレンジで振幅。ユーロドルは1.08台後半で、やや上値が抑えられている。午後4時15分に予定されている春闘の集計結果発表待ちに。

 ロンドン市場は、円売りが優勢。この日は連合が春闘の第1回集計結果を公表した。来週の日銀マイナス金利解除の支援材料として注目された。平均賃上げ率は5.28%と昨年の3.80%を大きく上回った。ドル円は一時148.04近辺まで下落も、その後は反発している。事前の織り込みが進んでいたことや当面の材料出尽くしなどが指摘されている。また、ロンドン市場では欧州株が前日の調整のあと、再び堅調に推移している。リスク選好の面もあって、クロス円の上昇を伴う円売りの動きが広がった。ドル円は高値を148.83近辺に更新。ユーロ円は161円台前半から162円台乗せ、ポンド円は188.60付近から189.70台へと上昇している。ユーロ対ポンド相場はややポンドの上値が重かった。レーン・フィンランド中銀総裁は、先週の理事会で利下げを開始する適切な時期に関する議論を開始したことを明らかにした。一方、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁は、行動する前に、労働市場のデータを見る必要がある、とやや慎重な姿勢を示した。また、来週の英金融政策発表を控えて、英中銀が最新のインフレ態度調査結果を公表した。1年先のインフレ期待は3.0%と、前回11月調査の3.3%から低下した。

 NY市場でドル円は149円台を回復。一時149.15付近まで上昇する場面も見られた。21日線が149円台半ばに来ており、来週以降試しに行くか注目される。米国債利回りはNY時間に入って上昇しているものの、ドル高よりもむしろ、円安がドル円を押し上げていた模様。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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